コンバースの歴史についてご紹介

2003年に買収され、今はナイキの子会社であるコンバース(Converse)。日本においてローテクスニーカーの最も人気のあるスニーカーブランドです。シンプルが故にどんなファッションにも合わせ易くスニーカー自体の価格も安価であり、様々なカラーやパターンのバリエーションがあるため、何足も持っている人が少なくありません。そんなコンバースのスニーカーの歴史を紹介しながら魅力に迫ります。

コンバース(Converse)とは

 

2003年7月からコンバース(Converse)はナイキ(NIKE)に360億円で全株式を譲渡し、ナイキ(NIKE)の100%子会社として資源やノウハウ提供を受けビジネスの拡大発展を目指しています。

コンバースは2011年にアメリカ合衆国の連邦倒産法であるチャプター11を申請し、その後企業再建のため伊藤忠商事が資本参加してコンバースジャパンが設立されたました。

改めて、新生コンバースとして再生復活を遂げ、ナイキが買収を選択したのです。

株式譲渡後もコンバースは独立したマネージメントによって運営されているため、ナイキ(NIKE)からのノウハウや資源の供給は受けますが、販売や製品開発、流通等の運営とは完全に独立した形でビジネスを展開し、方針決定の能力を維持したまま経営を続けています。

日本市場におけるコンバース

日本市場におけるナイキ(NIKE)子会社化以前のコンバースは、伊藤忠商事が1999年に日本におけるアパレルとアクセサリー、2001年にスニーカーの商標権を取り、2002年には伊藤忠が全額出資でのコンバースジャパンを設立し、売上高480億円を達成しています。本国のアメリカでは、ナイキ(NIKE)の低価格帯ハイテクスニーカーを中心に展開していますが、日本国内では已然として人気のあるローテクスニーカーを中心に販売し人気を獲得しています。

コンバース(Converse)の歴史

1908年のアメリカ、マサチューセッツ州にてラバーカンパニーを営んでいたマーキス・M・コンバースは、地元の降雪量の多さと、湿地帯等が続く地域性に注目し、コンバースを設立しました。

そこで雨や雪の中でも作業の出来るラバーシューズを製造し、それが品質の高さから圧倒的な支持を得て、1910年には従業員350人を超える地元の有力企業へと成長して行きました。

しかし、作業用のラバーシューズは雪の多い冬場に需要が集中してしまい、夏場の低迷期の売上げに困りました。そこで通年での需要が安定する物は無いかと考えた創始者が注目したのがバスケットボールというスポーツでした。

世界初のバスケットボール用スニーカーALL STARを制作

当時YMCAで教鞭をとっていたネイスミス博士が、冬場に出来るスポーツとして考案したこのスポーツに着目し、コンバースは試行錯誤を繰り返して1917年に世界初のバスケットボール専用スニーカーを作成。それが今でも多くの人に愛され続ける『ALLSTAR(オールスター)』なのです。

驚く事に、この時完成した初期のオールスターと今のオールスターを見比べても殆どスタイルが変わりません。それほどまでに完成された機能とフォルムのスニーカーは、すぐにバスケットボールプレイヤーから支持され、当時のスタープレイヤーであるチャールズ・H・テイラーが現役時代を通じて愛用し続けた事で有名となりました。

コンバース(Converse)が制作したスニーカー

  • 1917年-先ほど解説した不動の定番スニーカーである【ALL STAR】が発売。
  • 1935年-今でもコンバースの代表スニーカーとして人気を持つ【JACK PURCELL】が発売。
  • 1940年-テニス専用の【SKID GRIP】が発売され、スケーターにはミッドカットの【CAN-RAD】が人気を博す。
  • 1969年-後に【ONE STAR】の原型となるバスケットボール用スニーカー【JACK STAR】が発売。
  • 1976年-バスケットボール選手ジュリアス・アービングのプレーを支えた【PRO-LEATHER】が発売。
  • 1985年-シューレースが足の外側につけられた画期的デザインのスニーカー【THE ODESSA】が発売。
  • 1986年-ラリー・バードとマジック・ジョンソンを起用し話題となった【WEAPON】が発売。
  • 1996年-衝撃吸収の為のリアクトシステムを搭載しマイナーチェンジした【ALL STAR2000】が発売。
  • 2008年-コンバース生誕100周年

こうしてみると、コンバースの主力モデルがALL STARということがわかりますね。

コンバース(Converse)のスニーカーの特徴

独自の素材を使用した【エナジーウェーブ】

1989年に登場したコンバースのクッショニングテクノロジーがエナジーウェーブです。 これはスニーカーのミッドソールに、EVAフォームとポリウレタン、そして独自素材の三種類を、マーブル模様のように混ぜ合わせる事で、高い衝撃吸収製を手に入れることが出来た技術です。

ゲル状のショック吸収システム【リアクト】

1996年のALL STAR2000に搭載された流体力学を応用して作られた衝撃吸収システムのリアクトは、粘度の高いゲル状の液体と圧縮ガスをカプセルの中に入れて、ミッドソールの中に搭載するという物で、搭載されたスニーカーのミッドソールからビジブルウィンドを通して見る事が可能となっています。 このリアクトシステムの衝撃吸収性能は圧倒的で、履いて片足のみに体重をかけただけでも実感出来ます。反発力を利用するタイプではないので、ナイキ(NIKE)の『エア』のような弾むショック吸収性能とは別物です。